メイラックスの併用禁忌・注意薬に気をつけよう

 

メイラックスは比較的副作用が軽く、半減期も長いため、多くの人に服用されている医薬品となります。また、併用禁忌(一緒に服用してはいけない医薬品)がないのも特徴で、手軽に処方されている現状があります。

 

とはいえ、禁忌のルールや併用注意薬はあるので、あらかじめ知っておく必要があります。

 

目次

 

メイラックスの禁忌のルール

はじめに、メイラックスの禁忌(服用NGの人)のルールを解説します。

 

禁忌

 

  1. ベンゾジアゼピン系薬剤に過敏症がある人
  2. 急性狭隅角緑内障のある患者
  3. 重症筋無力症のある患者

 

ベンゾジアゼピン系薬剤に過敏症がある人

過去にベンゾジアゼピン系薬剤(メイラックス、ハルシオン、レンドルミン、デパス、ロヒプノール、ユーロジンなど)に対して過敏症(アナフィラキシー等)を発症したことがある人は、メイラックスは禁忌となります。

 

急性狭隅角緑内障のある患者

急性狭隅角緑内障の患者は角膜と虹彩の間の「隅角」が完全に閉じてしまい、眼圧が急上昇する症状があります。この状態でもただでさえ危険なのに、メイラックスを服用するとさらに眼圧が上がり、失明に至ってしまうこともあります。

 

重症筋無力症のある患者

重症筋無力症は腕や足などの筋力が弱まり、まぶたが垂れ下がったり物が二重に見えるなどの病気です。メイラックスの筋弛緩作用が加わると、重症筋無力症の症状との相乗効果で悪化してしまうことがあります。

 

メイラックスの併用注意薬

メイラックスに併用禁忌はありませんが、併用注意薬がいくつかあります。

 

中枢神経抑制剤(マイスリー、デパス、アレグラなど)

 

メイラックスには中枢神経抑制作用があるので、同じ作用のある中枢神経抑制剤を併用すると作用を増強してしまい、

 

眠気、意識障害、血圧低下、運動失調

 

↑のような強い副作用が出ることがあります。また、お互いの依存性・耐性を高めてしまう作用もあるので、断薬時の離脱症状が強くなり、なかなかやめられないといった事態におちいる可能性もあります。

 

ベンゾジアゼピン系 メイラックス、デパス、レンドルミン、ハルシオン、ユーロジン、ソラナックス、ワイパックス、ベンザリン、ロヒプノール(サイレース) など
非ベンゾジアゼピン系 マイスリー、アモバン、ルネスタ
バルビツール酸系 ベゲタミン、ラボナなど
抗ヒスタミン薬 アタラックス、ポララミン、アレジオン、アレグラ、ザイザル、クラリチン など
フェノチアジン誘導体 メチレンブルー、プロマジン、フルフェナジン など

 

中枢神経抑制薬の一部を↑に挙げてみましたが、意外と種類が多いことがわかります。メイラックスと同じベンゾジアゼピン系はもちろんですが、睡眠薬のマイスリー・アモバンなども併用は注意となります。

 

また盲点としては抗ヒスタミン薬があります。抗ヒスタミン薬は花粉症治療などに使われるので馴染み深い医薬品ですが、中枢神経抑制作用があり、眠くなりやすいのでメイラックスとの併用は慎重に行うべきです。

 

もちろん、中枢神経抑制薬が複数処方されることもよくあります。ただ、それは医師が必要と判断したからです。いろいろな病院をはしごして、複数の中枢神経抑制薬を手に入れて自己判断で併用するのは避けるべきでしょう。

 

これはアルコールでも同じことで、中枢神経抑制作用が増強され、過眠や酩酊の副作用が出るほか、アルコール依存症のリスクが高まることにもなります。

 

>>アルコールとの併用はダメ!お酒との関係

 

シメチジン

シメチジンは胃酸抑制薬(H2ブロッカー)となるので、メイラックスと飲み合わせが悪いイメージはわかないかもしれません。しかし、添付文書にも

 

シメチジンが肝での代謝(酸化)を抑制して排泄を遅延させ、半減期を延長、血中濃度を上昇させるためと考えられている。この作用は特に肝で酸化されるベンゾジアゼピン系薬剤で起こりやすい。

 

とある通り、メイラックスの半減期を伸ばしたり、血中濃度を上げてしまうことがわかっているため、依存性や耐性を高めてしまうリスクがあるので併用注意となっています。

 

シメチジンが厄介なのは、市販薬がカンタンに手に入る点です。H2ブロッカーの市販薬のなかで、シメチジン配合のものは意外と多いです。

 

フロンティア、パンシロンH2ベスト、住友胃腸薬スコープ、センロックエース、ザッツブロック、アルサメックなど

 

↑が一例ですが、目にしたことがあると言う人も多いでしょう。家にある胃薬を適当に飲むと知らないうちに併用になるかもしれないので、パッケージの成分表は確認したほうがいいです。なお、同じH2ブロッカーでも「ガスター」は併用注意ではないので、心配ならガスターを選んだほうがよいでしょう。

 

四環系抗うつ剤

マブロチリン塩酸塩(代表医薬品:ルジオミール、アメルなど)
環状構造が4つあることから「四環系抗うつ剤」と呼ばれている抗うつ剤も、メイラックスの併用注意薬となります。

 

四環系抗うつ剤にはけいれん発作の作用があるのですが、メイラックスの抗けいれん作用が抑えてしまうことがあり、メイラックスを急にやめると強いけいれん発作が起こってしまうことがあるのです。

 

抗うつ剤といえばSSRIやSNRIが有名ですが、四環系抗うつ剤は即効性があり効果がすぐに出るため処方されているケースもあります。同じ医師の診断を受けている場合はメイラックスと同時処方されることはないはずですが、もし別の医師の診察を受ける場合は四環系抗うつ剤を処方されていることは伝えておきましょう。

 

 

他にも、パーキンソン病に利用されるモノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)も併用注意となります。併用には気を付けるようにしましょう。

 

よく利用される医薬品とメイラックスの飲み合わせは?

 

メイラックスの併用注意薬について解説しました。ただ、他にも「よく使う薬があるんだけど、メイラックスとの飲み合わせはOKなの?」という疑問を持っている人もいるはず。

 

なので、ここではよく使われやすい医薬品と、メイラックスとの飲み合わせについてまとめていきます。

 

風邪薬(ムコダイン・パブロン・ルルなど)

 

メイラックスは服用期間が長くなりやすいので、その間に風邪を引くこともあるでしょう。そんなときは、風邪薬との飲み合わせが心配になるかもしれません。

 

医薬品名

効果

アスベリン

咳止め

アストミン

咳止め

フスコデ

咳止め

メジコン

咳止め

レスプレン

咳止め

アンブロキソール

喉の炎症を鎮める

エンピナース

喉の炎症を鎮める

 

ムコダイン

咳止め、痰切り、鼻づまり防止

 

↑は風邪のときに処方されることが多い医薬品のリストとなります。この中でも、ムコダインは効果の幅が広いのでよく使われます。

 

これらの医薬品とメイラックスとの併用については、原則として問題ありません。組み合わせによっては眠気が強くなる可能性もありますが、メイラックスを服用していることを医師に申告しておけば、最適なものを用意してもらえるはずです。

 

 

やっかいなのが、風邪に効く市販薬を買う場合です。風邪だとパブロン・ルルといった市販薬がよく売れていますが、これらの市販薬には鼻止め・鼻づまり対策として抗ヒスタミン薬が入っていることが多いです。すでに説明したように、メイラックスと抗ヒスタミン薬はお互いに中枢神経抑制薬なので、併用すると異常眠気などが出る可能性があります。家で休んでいるなら眠くなっても横になればいいですが、仕事などででかけるなら併用は慎重に行ったほうがよいでしょう。

 

市販薬によく含まれる抗ヒスタミン薬としては、「d-クロルフェニラミン」や「マレイン酸カルビノキサミン」があります。パッケージの成分表を見て、入っていたら別のものを選ぶようにしましょう。もしわからない場合は薬局のスタッフに聞いてみましょう。

 

胃腸薬(ムコスタ・ガスター・ビオフェルミンなど)

 

胃腸が弱く、胃腸薬が欠かせないという人も多いでしょう。

 

ムコスタ、ブスコバン、ガスター、タケプロン、パリエット、ネキシウム、ビオフェルミン など

 

そういった人の場合、↑の医薬品を服用しているかもしれません。

 

胃腸薬に関しては、すでに解説したように、「シメチジン」が併用注意となっています。それ以外の胃腸薬は問題ないので、同時服用も基本的には大丈夫です。

 

しかも、メイラックスの副作用の出方次第では消化器系の副作用が出ることがあり、その症状を抑える意味で胃腸薬は活躍します。なので、メイラックスとの飲み合わせについては、むしろ良いと言ってもいいくらいです。

 

ただ、胃腸薬と言ってもいろいろあって、症状にあったものを選ばないと逆効果になることもよくあります。なので自分で判断して選ぶのではなく、医師に相談したり、薬局で適切なものを見つけてもらうのがよいでしょう。

 

解熱鎮痛剤(ロキソニン・ボルタレン・バファリンなど)

 

胃腸薬と同じくらい、利用する人が多い医薬品のジャンルとして「解熱鎮痛剤」があります。頭痛や生理痛があって、痛み止めが手放せないという人は多いはずです。

 

ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェン、アスピリン、ポンタール、インドメタシン

 

鎮痛剤でメジャーなのは、↑のような医薬品になります。これらの医薬品は、「NSAIDs」と呼ばれます。

 

NSAIDsとメイラックスの併用については、注意扱いではないので問題はありません。ただ、飲み合わせはそれほどよくありません。なぜなら、NSAIDsとメイラックスは御体外に消化器系の副作用を持っているからです。

 

>>メイラックスの消化器系副作用について

 

メイラックスの消化器系副作用については↑で解説していますが、ロキソニンやボルタレンなどのNSAIDsについても、胃を荒らすというのは有名な話です。

 

そして、メイラックスとNSAIDsは、消化器系の副作用の原因が違っています。つまり、同時に起こって、症状を極端に悪化させる可能性があるのです。

 

なので、併用する場合は、お互いの医薬品の用法・用量は厳守しましょう。ロキソニンなどのNSAIDsは、空腹で服用すると胃が荒れやすくなるので、食後に服用するのが原則となります。

 

胃腸の症状が重くなるようなら、胃腸薬を服用するのもアリです。医師の診察を受けて、効果的な胃腸薬を出してもらいましょう。

 

その他の医薬品(ピル、抗生物質、ワーファリンなど)

 

メイラックスを長期服用していると、その間に抗生物質を飲む機会もあるでしょう。また、女性だとピルを服用したいケースもありえます。

 

種別

代表医薬品

概要

ピル

トリキュラー、ダイアン、ヤスミン、アイピル

併用はOK。ただし消化器系の副作用の重複に注意

抗生物質

フロモックス、メイアクト、クラビット、ジスロマック

併用はOK。ただし消化器系の副作用の重複に注意

ワーファリン

ワルファリン

併用はOK。

 

メイラックスとの併用については、↑でまとめました。いずれも併用は問題ナシですが、消化器系などの副作用の重複がありえるので、あらかじめ注意しておきましょう。

 

メイラックスと一緒に飲んではいけないサプリとは?

 

メイラックスには、飲み合わせの悪いサプリがあります。よかれと思って飲んだサプリで、体調が悪くなったら悲しいですよね。メイラックスを飲んでいるなら、次のサプリを同時に飲まないよう注意しましょう。

 

GABA

 

GABAのサプリは、脳の働きを抑えてリラックスする効果があります。メイラックスは、そうしたGABAの働きを強めます。このふたつを同時に飲むと、作用が高まりすぎて、メイラックスの副作用がでやすくなります。

 

セロトニン・メラトニン

 

不眠に悩む人などに愛用されているサプリです。メイラックスの代用として服用するなら問題ありませんが、同じように眠くなる作用のあるメイラックスを同時に飲むのはやめましょう。強い眠気によって、日中でも注意力が低下する可能性があります。

 

 

セント・ジョーンズ・ワート

 

うつ症状の改善や不眠解消の効果があるといわれるサプリです。メイラックスと似た作用をもつため、メイラックスと同時に飲めば、メイラックスの効果を低下させ、不安やイライラが増すこともあります。

 

併用注意・飲み合わせまとめ

 

メイラックスの場合、「併用禁忌」とされる医薬品はありません。しかし、併用注意はいくつかあります。

 

  1. 中枢神経抑制剤
  2. モノアミン酸化酵素阻害剤
  3. シメチジン
  4. 四環系抗うつ剤

 

↑の医薬品については、自分で勝手に判断して併用するのはやめておきましょう。医師が「どうしても併用が必要」と判断した時に限り、慎重に併用するようにしましょう。

 

また、風邪薬や胃腸薬、痛み止めなど、よく使われる医薬品との併用についても、

 

  1. 眠気、ふらつき、めまい
  2. 消化器系の副作用(吐き気、胃痛など)

 

↑の症状の悪化には気を配る必要があります。

 

そして最後に、「肝臓・腎臓の負担」についても注意しましょう。医薬品は基本的に肝臓・腎臓で代謝・排泄されますが、薬を併用すればするほど肝臓や腎臓への負担が重くなっていきます。

 

なので、メイラックスと他の医薬品を併用するなら、肝臓・腎臓の健康状態もしっかり意識しましょう。健康診断などで数字の悪化が出てしまったときは、医師に相談して併用OKか判断してもらうことを忘れないようにしましょう。